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RAW現像

 撮像素子(センサー)自体は色を区別することはできません。光の強弱が分かるだけです。そこで素子上にR(Red)、G(Green)、B(Blue)という光の三原色を通過するフィルターを格子状に配して、各色成分の強弱だけを記録します。いってみれば赤成分の光の強弱だけでできたグレイスケール画像、緑成分の光の強弱だけでできたグレイスケール画像、青成分の光の強弱だけでできたグレイスケール画像という、三つの独立した画像情報を記録するのです。そしてこの三つの情報(RGB)を組み合わせて最終的に「色」のあるひとつの写真に組み立て直します。この作業を現像と呼びます。  
ベイヤーパターンと呼ばれる
画像素子上のフィルターの様子

 ホワイトバランス調整とは、この三つの組み合わせ具合を調整することによってホワイトポイントを撮影者の望む色温度に持っていく機能にほかなりません。ですからRAW撮影では、撮影時に各色成分が露出オーバー/アンダーにならない限り、色温度は現像時に調整すれば撮影時に設定したときと同じ結果が得られます。


現像時のRGB各色成分のヒストグラム

 RAW現像というプロセスは、フィルムであれば現像のプロに任せる部分です。初心者にはとても難しく、また数千枚の写真の現像にかかる時間は膨大なものになるでしょう。ある程度のスキルがなければ、結果としてカメラ任せのJPEG撮影の方が勝る場合もあり得ます。しかし自分できちんとデジタル写真のファイル操作をできる人にとっては、やっと「現像」の部分で色を積極的にコントロールできるようになったわけです。

  JPEGではあくまでもその画像処理エンジンを設計した人の思想に基づいて色味が決定されていたのに対して、RAW現像では自分の狙った通りの色にファイルを展開することができるのです。記憶色に近い色を選ぶことにより、撮影者の意図を自在に表現することができます。また撮影時に意図していなかったような効果を後から試すことも可能です。

しかし、後から修正できるとはいえ、撮影する時点で適切な設定をするという基本はフィルムでの撮影となんら変わりません。修正して何とか見られるようになった写真は、適正な露出、色温度、ISO値、ファイルサイズで丁寧に撮られた写真には及びません。

どのようなソフトを使うにせよ、現像時にすることは大体同じです。明度(露出)、コントラスト、色温度、シャープネス、彩度などの調整が基本的な項目でしょう。大量のファイルを扱う場合は、バッチファイルを活用するなどして自動化することも可能ですが、こだわればこだわるほど一枚一枚の手作業になり時間がかかります。

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